まだないデータの価値を伝える 論理と創造のデータマーケター

グローバルに展開しているデジタルプラットフォーマーの台頭に象徴されるように、この10年で、すべての企業がデータから価値を生み出さなければ生き残れない時代に突入しました。そんな中、社会から必要とされ、得意先の信頼を獲得し続けるにはどうしたら良いのか、常に考え続けているデータビジネスデザイン事業本部の鈴木隆文。鈴木はデータを構造化して整理することと、新たな着眼点でデータを創り出すこと、その双方を掛け合わせることで新しい価値を提供してきたデータマーケターです。鈴木流データ活用の秘訣や、変化の時代にアップデートすべき思考と行動についてご紹介します。

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データビジネスデザイン事業本部

鈴木隆文(データマーケター)※敬称

 

学生時代にデザイン工学を学んだ後、大学の仲間と制作会社を起業。制作全般を請け負う中で経験を積み、2013年に博報堂プロダクツダイレクトマーケティング事業本部事業開発部(現DBD事業本部)へ転籍。MAツールやDMP導入をはじめ、データ活用を基点としたマーケティング戦略設計により、中長期的に得意先ビジネスにコミットしてきた。

 

|顧客理解の「バランス感覚」と「アイディア」を磨き、データに意味を与える。

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ここ数年、各社データ領域に注力するようになり、これを用いた「one to oneマーケティングの実践」などもクライアントから頻繁に依頼があります。ただ、「one to one」と「マーケティング」は得てして相反するものです。顧客を大枠で捉えすぎると効果を生めないし、逆に突き詰めすぎて文字通り一対一になってしまうと、コストも嵩み、マーケティングというより営業販売に近いものになってしまいます。費用対効果の見極めが肝心で、深い専門性と全体俯瞰のバランス感覚も必要です。また、しばしばクライアントが保有するデータのみで分析、戦略立案を進めることがありますが、必ずしもそれが購買行動の把握・予測に充分であるとは限りません。既存データだけで解決できない場合に、不足しているデータを、どこから集めて、どのように掛け合わせるかというアイディアが必要になります。

 

ここで言う「データ」は既成の構造化された「キレイなデータ」だけではなく、Google MAPでターゲット拠点の立地状況等をひとつひとつ調べたり、現地訪問調査をするなどして、独自の視点で構築したデータもあります。クライアント自身もまだ気づいていないような重要な問題を発見することや、データに新たな意味を与えることこそが、データマーケターの提供価値となります。不完全でバラツキのある膨大なデータを、活用できるデータに変えるためには、分析スキルだけではなく、顧客理解の「バランス感覚」や「アイディア」が必要になってくると思います。

 

|「兼、営業」の意識がパフォーマンスを上げる。

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お客さんと向き合う、会話することは常に心がけています。20代の頃は1,000キロ離れたお客さんの本社に出向き、1週間以上缶詰で打ち合わせとコンテンツ開発をする…といったこともしていましたね。働き方を考える時代ではなかったので辛い局面もありましたが、その業務を通じてクライアントに寄り添うことの重要性に気づくことができました。

 

いまどきはクライアント社内にも分析担当部署がありますし、競合他社のみならずクライアント自身のスキルも年々向上しています。その中でデータ分析の専業会社と比較されながら、能力×人月単価で勝負するという厳しい領域です。そこでお仕事を頂く、継続するには他より高いパフオーマンスが必要なのはもちろんのこと、+αの価値を提供するが必要があります。その価値を生むために意識しているのは、目の前のお客さんとちゃんと向き合ってコミュニケーションをとること。打ち合わせの際には、目を見て話すことだけでなく、声のトーン、細かい所作にも気を使っています。どんな専門領域であっても、成果をあげるためになくてはならないのは、クライアントに寄り添う「兼、営業」の意識だと考えています。

 

|得意先ビジネスを深く理解して、得意先と同じ意識を持つ。

 

私の場合、業務でクライアントに常駐することが多いのですが、そこでは「取引先」というより、クライアントの社員と同じ価値観、課題意識を持って働いています。業務ではいわゆるデータ分析だけでなく、営業支援やメールマーケティングのシナリオ作り、具体的なコンテンツの構成を引く、といったところまで対応することもあります。ひと言で「クライアント課題」といっても、会社によって内容は様々で、そこに対応する方法も無数にあります。クライアントの期待に応えるためには、データを基軸として思考・行動することは当然として、自分の対応領域をあまり限定しない、ということにも気をつけています。

また、有価証券報告書や四季報を見て、数年間のビジネスの推移を根幹から把握することで、ヒントが見つかることもあります。クライアント社員以上にその会社を知ることで、お客さんと背中合わせで一緒に戦っている感覚が持てるようになるのかな、と思います。

 

|固定概念は敵!変化の激しい時代だからこそ成長できる。

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私は、実はネガティブ思考なところがあり、内心「この仕事がなくなったらどうしよう!」とか、なんでも悪い方に考えてしまいます。5年後の自分、、、想像しただけで恐ろしい!(笑)今の若手は、大学でゴリゴリ勉強して、将来のビジョンを持っている人も多く、成長が早いし、吸収力も抜群です。そんな若手からも「仕事ができる人」と思ってもらえるように、いつまでも頭と手を動かして成長し続けたいです。この10年、変化が激しい時代だったからこそ、これをやっておけば盤石ということなんてないことを痛感してきました。私が大学生の頃は FlashとActionScript (Flash開発で用いる言語) を使いこなせれば10年以上は食っていける、と言われていましたが、5年を待たずに時代遅れになってしまいました。活版印刷や写植が絶滅していったように、今持っている専門性だけでは、いずれ食べていけなくなります。でも、そこに常にビクビクして生きていれば、新しい成長につながるはず…と考えています。

 

会社という視点で見ると、我々は他のデータ専業会社とは全然違う価値を持っていると思っています。それは本質的な課題を見つけて、要件整理して、具体的なアクションを起こすところまで一気通貫で請け負えること。様々な分野の専門家を抱えるその他事業本部との連携こそが強みになります。

ここ数年、職種別採用(※)が続いていますが、若い世代には、専門性を深めるだけではなく、そういった各分野のプロフェッショナルと交わって、色々な経験をしてもらいたいですね。

 

(※)博報堂プロダクツでは、総合職や一般職の採用ではなく職種別採用を行っています。詳しくはホームページをご覧ください。